

能ってなんだろう?
- 端的にいえば、オペラの日本版とでもいいましょうか! 謡(うたい)あり、舞(まい)あり、お笑い(狂言)ありと物語りがわかれば「なるほど」と思えるものです。
猿楽や田楽をより芸術的にして高貴に見せたのが能楽のです。ひとことでは言えませんが、「百聞は一見」で、ご覧になってはいかがでしょうか?
現在まで受け継がれてきている原形は「観阿弥(観世清次)」と「世阿弥(観世三郎元清)」の父子によるものとされています。
いつからあるの?
- 南北朝から室町時代にかけて、将軍足利義満にまでさかのぼること600余年の歴史がある古典芸能です。 観阿弥(かんあみ)と世阿弥(ぜあみ)からはじまった歴史は、現在 26世家元観世清和まで受け継がれています。
どうやって見るの?
- 毎月定期的に第一日曜に行われているのが、観世会定期能が開催されます。
それ以外にも、若手の研究能や荒磯会というのがありますので、チケットぴあなどをご覧になって下さい。
いくらかかるの?
- 5000〜8,000円からです。特別席学割などもありますので活用してください。詳しくは主催者やプレーガイドにご確認してください。
観世会定期能は12,000円と高額ですが、内容は充実しています。また、年間通し券など割引のあるものもございます。
当ホームページの関係する定期能では、「昭門会」がございます。詳しくは、左記のインデックスの昭門会をご覧ください。
誰がやってるの?
- 能楽を専門している玄人(くろうと)を能役者といい、観世流だけでも男女合せて950人ほどいます。
- 能役者は、シテ方・ワキ方・狂言方・囃子方に大別できます。
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- シテ方は、シテ・ツレ・地謡を担当する。
- ワキ方は、ワキ・ワキツレを担当する。
- 狂言方は、能においてはアイを担当し、狂言だげでも行う。
- 囃子方は、笛・小鼓(おおかわ)・鼓(つづみ)・太鼓(だいこ)をそれぞれ専門に担当する。
流派とは?
- 能楽は室町時代から脈々と継承されてきましたが、その間に枝分けれしたり、くっ付いたりしていろんな流派があります。
- シテ方(観世 宝生 喜多 金春 金剛)
- ワキ方(宝生 福王 高安)
- 狂言方(大蔵 和泉)
- 囃子方(一噌 森田 藤田 幸 幸清 大倉 観世 金春 高安)
能のあらすじは?
- 【あ】
- 葵上(あおいのうえ)
- 病にかかった葵上を巫女(みこ)に占わせると、梓の弓の音に引かれて六条御息所(ろくじょうみやすどころ)の生霊が現れ、光源氏への思いを述べ、葵上をせめる。なおも鬼性を現した御息所は比叡山の僧と闘い、やがて調伏(ちょうふく)される。
- 芦刈(あしかり)
- 貧しさゆえに妻と別れた夫は、難波の浦で芦を売り歩く身となる。そこに今は富と高貴の身となった妻が夫を探しに来る。夫は零落(れいらく)した身を恥じて一旦は姿を隠すが、妻と和歌を詠(よ)み交わして再開を果たす。
- 安達原(あだちがはら)
- 熊野の阿闍梨祐慶(あじゃり)の一行が奥州・安達原で、一軒の家に宿を借りる。女主人との約束を破り、閨(ねや)の中を見ると、死体が累々と積まれている。安達原の鬼女の住処(すみか)で逃げる一行に、鬼女が襲いかかる。
- 海士(あま)
- 藤原房前の大臣(だいじん)は、自分の亡き母が讃州(さんしゅう)志度(しど)の浦の海士であったことを知り、浦を訪れ、所の海士より母の最期を聞く。やがて龍女となり成仏した母が現れ、弔いに感謝し舞う。
- 岩船(いわふね)
- 高麗(こうらい)・唐土(とうど)の宝を買うようにとの勅命(ちょくめい)を受け、住吉の浦に勅使(ちょくし)が赴く(おもむく)。やがて龍神が現れ、金銀珠玉(きんぎんしゅぎょく)を積んだ岩船を守護し、御代(みよ)を祝福する。
- 雲林院(うんりんいん)
- ある夜見た霊夢(れいむ)に導かれて都に上った男は、雲林院に着き、出会った老人より「伊勢物語」の秘事を授けようと言われる。夜になり、男の夢に在原業平が現れ、秘事を明かし舞を舞う。
- 絵馬(えま)
- 臣下(しんか)が伊勢参宮の途中、斎宮で、日照りと雨を占う絵馬を持った老夫婦に出会い、国土安穏(あんのん)を祈るさまを見る。やがて、天照大神(あまてらすおおみかみ)が天鈿女命と手力男命を従えて現れ、天の岩戸(あまのいわと)隠れの故事(こじ)を再現して見せる。
- 老松(おいまつ)
- 北野天満宮を深く信仰する梅津某が霊夢(れいむ)を受け、筑紫の安楽寺(菅原道真の菩提寺)を参り、松・梅の木守(きまもり)より松・梅のめでたい故事を聞く。やがて、老松・紅梅の神が現れ、もてなしの舞を舞う。
- 翁(おきな)
- 能・狂言とは異なる古風な様式を伝え、むしろ祈祷(きとう)、儀式とも扱われる。翁・千歳(せんざい)・三番叟(さんばそう)の所役が天下泰平、国土安穏、五穀豊穣を祈り舞う。
- 【か】
- 杜若(かきつばた)
- 三河国・八橋の沢一面に咲き誇る杜若。旅の僧の前に現れた女は、在原業平が杜若を詠(よ)んだ歌を教える。やがて自分は杜若の精であると明かし、『伊勢物語』の巻々の恋物語を舞う。
- 景清(かげきよ)
- かつての勇将(ゆうしょう)・悪七兵衛景清は流されて今は盲目となり生き長らえていた。幼少の頃別れた娘が訪ねて対面し、景清は源平の合戦の様を語り聞かせる。やがて娘に死後の弔いを頼み、別れの時となる。
- 花月(かげつ)
- 花盛りの清水寺(きよみずでら)。花月という少年は寺の縁起(えんぎ)を語り舞い興じる。その少年こそ昔天狗にさらわれた我が子と知る僧。再会を果たした親子は連れ立って仏道修行の旅に出る。
- 賀茂(かも)
- 下鴨社に参詣(さんけい)した神職(しんしょく)が、御手洗川(みたらしがわ)の川辺に祭られている白羽(しらは)の矢を見つけ、里女よりその謂(い)われや賀茂社の縁起を聞く。やがて御姐神と別雷神(わけいかずちのかみ)が現れて、五穀豊穣(ごこくほうじょう)、国土守護(こくどしゅご)を約束する。
- 通小町(かよいこまち)
- 京・市原野、僧の弔いに現われた小野小町(おののこまち)の霊を追って現われた深草少将の霊は、小町の成仏を妨げようとし、少将は生前小町に恋をして百夜通った様を見せるを構え、平家打倒の策を練っていた。
- 邯鄲(かんたん)
- 邯鄲の宿で一眠りする盧生(ろせい)、やがて勅使(ちょくし)が来て帝が帝位を譲るといい、栄華をきわめた日々が過ぎる。しかし、宿の主人が栗の飯が炊けたと盧生を起こしに来て夢からさめ、人生一炊(いっすい)の夢であると悟る。
- 木曽(きそ)
- 木曽義仲は陣を構え、平家打倒の策を練っていた。折から埴生八幡宮(はにゅうはちまんぐう)を見つけ、参謀の覚明に勝利祈願の願書を書かせ奉納する。そして義仲は宴を開き、覚明は門出(かどで)を祝い舞を舞う。
- 国栖(くず)
- 大友の皇子(おうじ)に追われ吉野山に逃れた清見原の皇子(天武天皇)は、土地の老夫婦に助けられ、追手よりかくまわれる。やがて瑞兆(ずいちょう)の景色となり、天女が舞い、蔵王権現(ごんげん)が現れて御代(みよ)の将来を祝福する。
- 鞍馬天狗(くらまてんぐ)
- 平家全盛の世の中で、不遇(ふぐう)の身にある少年牛若丸の前に現れた鞍馬山の大天狗は、平家討伐(とうばつ)を助け、牛若の武運を守ろうと約束する。
- 小督(こごう)
- 宮中より身を隠した小督の局(つぼね)を探すようにとの勅命(ちょくめい)を受け、源仲国は嵯峨野に向かう。十五夜、琴の音を頼りに小督を見つけ、帝の文を伝え、名残りの酒宴で舞を舞う。
- 胡蝶(こちょう)
- 旅の僧が都の古跡(こせき)を訪ね、今を盛りと咲いている梅の花を眺めているところへ、一人の女が現れ、僧に梅花との縁を結んで欲しいと頼む。やがて胡蝶の精が現れ、経(きょう)の功力(くりき)によって縁を結ぶことができた喜びを舞う。
- 【さ】
- 西行桜(さいぎょうざくら)
- 都・西山、西行法師の庵(いおり)に桜を見物に人々が訪れますが、西行が桜ゆえにかくれ家を知られ、静寂をを妨げられたという歌を詠(よ)むと、老桜の精が現れ、「桜には咎(とが)めはない」と諭(さと)し、また都の桜の名所を謡い舞を舞う。
- 桜川(さくらがわ)
- 貧しさ故(ゆえ)に我が身を売った子の行方を探して、母は心乱れてさまよい、常陸国、桜川に着く。川に散る桜の花に我が子への思いを募らせ舞う母。やがて寺の稚児となった我が子と再会を果たす。
- 須磨源氏(すまげんじ)
- 伊勢参宮に向かう藤原興範は、須磨の浦の光源氏の旧跡に着き、現れた老人より、源氏の一生を聞く。旅寝(たびね)して待つうちに光源氏が在りし日の姿で天降り(あまくだり)、舞を舞う。
- 隅田川(すみだがわ)
- 人買いに我が子をさらわれて心乱れた母は、隅田川までたどり着く。渡し守り(わたしもり)より我が子が亡くなったことを聞き、弔いをすると亡き我が子の霊が塚の中より姿を現す。
- 草子洗小町(そうしあらいこまち)
- 宮中の歌会。大伴黒主の策は、小町が詠(よ)む歌を先に盗み、草子(そうし)に書き込んで古歌(こか)であると訴える。しかし小町は草子を洗い身の潔白を晴らす。面目を潰した黒主を許し、小町は舞を舞い和歌の徳を讃(たた)える。
- 卒都婆小町(そとわこまち)
- 高野山の僧が都へ向かう途中、出会った老女は小野小町(おののこまち)のなれの果てであった。小町は昔をしのび、そのうち深草の少将の霊が憑(つ)いて心乱れ、百夜通いのありさまを語る。
- 【た】
- 大会(だいえ)
- 命を助けてもらった天狗はお礼に、僧に魔術で釈迦の霊鷲山での説法の様を見せる。有り難さに礼拝する僧。その時帝釈天(たいしょくてん)が天下り、天狗の魔術を打ち破り、懲らしめる。
- 忠度(ただのり)
- 藤原俊成に仕えていた僧が須磨(すま)の浦に赴(おもむ)き、現れた老人より平忠度のゆかりの古跡(こせき)を聞く。やがて僧の夢に忠度の霊が現れて和歌の道への執心(しゅうしん)と、一の谷の合戦での最期を語る。
- 鶴亀(つるかめ)
- 泰平の御代(みよ)、宮殿では新年の節会が行われ、帝(みかど)は参列した群臣の拝賀(はいが)を受ける。鶴と亀が舞い、千年・万年の長寿を捧げると、帝も御感(ぎょかん)あって自らも舞楽(ぶがく)を舞い、国土繁栄を寿ぐ(ことほぐ)。
- 【な】
- 仲光(なかみつ)
- 父子主従の恩愛を主題とする現在物直面の能で、他流では「満仲」と称しています。学問をおざなりにしている我が子、美女丸を手討ちすべく多田満仲が藤原仲光にこれを命ずるものの仲光の子、幸寿が身代わりとなります。後に事の次第を知る満仲ですが、キリは仲光が我が子への哀惜(あいせき)の情を抑え切れぬまま舞を納めます。
- 【は】
- 羽衣(はごろも)
- 三保の松原で美しい羽衣を拾った漁師・白龍を天人(てんじん)が呼び止める。羽衣がなくては天に帰られないと悲しむ天人。白龍は舞を見せてもらうことと引き換えに羽衣を返す。天人は舞を舞って、富士の嶺(ね)よりも高く天空へと帰って行く。
- 鉢木(はちのき)
- 旅の僧を北条時頼とはしらずに佐野源左衛門常世は、一夜の宿を貸し愛憎の鉢木を火に焚いて貧しくも、もてなしをする。やがて鎌倉よりの召集があり、時頼は常世に恩賞をもって報いる。
- 雲雀山(ひばりやま)
- 中将姫を亡き者とするようにと、父 藤原豊成より命令を受けた臣下(しんか)は、手を下せず雲雀山で姫をかくまう。姫の境遇をあわれみ、心乱れる乳母。折りしも狩に出た豊成は姫と再会し、非を悔いて姫を連れて都へと帰る。
- 富士太鼓(ふじたいこ)
- 宮中の管弦の会で、太鼓の役を争って討たれてしまった楽人の富士。残された妻は形見の装束を着けて、夫の仇と見做し、太鼓を打ち、狂おしく舞う。
- 藤戸(ふじと)
- 佐々木盛綱に戦の時、手引きをしたために理不尽にも殺された漁師の母は、盛綱に我が子を返せと訴える。弔いをする盛綱の前に現れた漁師の霊は、最期のありさまを見せ、弔いの功徳により成仏を果たす。
- 【ま】
- 乱(みだれ)
- 孝行者の高風の前に現れた猩々は、酒を飲んで舞い戯(たわむ)れ、汲(く)んでもつきない酒壺を与える。
- 三山(みつやま)
- 良忍上人(りょうにんしょうにん)が大和・耳成山に着き、里の女より勝手公成と桜子の恋物語を聞く。やがて上人の弔(とむら)いに桜子が現れ、桂子の恨みを解いて欲しいと頼むところに、桂子が現れて桜子を責めるのであった。
- 【や】
- 屋島(やしま)
- 屋島での源平合戦のありさまを旅僧に詳しく語る漁翁。やがて義経の霊が現れ、合戦の時、落とした弓を命がけで取り返したさまや、死後修羅道に堕ちての闘いを見せる。
- 山姥(やまんば)
- 山姥を真似た舞を舞う百万山姥という遊女(ゆうじょ)は、善光寺参詣の途中、山中で本当の山姥に出会う。山姥は深山の光景や自らの境涯(きょうがい)を語り、峰をつたい、谷を駆け、山めぐりの様子を見せる。
- 熊野(ゆや)
- 故郷に残している母が病との便りが、熊野のもとに届くが、平宗盛はかえって熊野に花見の供を命じる。やがて宴(うたげ)で熊野は舞を舞い、詠(よ)んだ一首の歌に宗盛は熊野を哀(あわ)れに思い、帰郷を許す。
- 養老(ようろう)
- 霊水(れいすい)が湧き出るという泉に赴(おもむ)いた勅使(ちょくし)は、老人と男に出会い、"養老の滝"の謂(い)われを聞く。やがて山神が現れて、御代(みよ)を祝福し、舞を舞う。
- 頼政(よりまさ)
- 宇治の平等院を訪ねた旅僧は、里の老人よりここは源頼政が自害した地であることを聞く。やがて仮寝する僧の夢の中に頼政の霊が現れ、宇治川の合戦や最期の様子を語る。
- 弱法師(よろぼし)
- 讒言(ざんげん)により我が子・俊徳丸を追い出してしまった父・通俊は四天王寺に参り、二世安楽(にせあんらく)を祈る。悲しみの余り盲目となり、今は弱法師と呼ばれる我が子と再会を果たし、連れ立って故郷へと帰る。
- 【ら】
- 龍虎(りょうこ)
- 日本の僧が唐(とう)を訪れ、山中で出会った老人から、龍虎が現れ戦うという高山の話を聞く。やがて、龍が黒雲より降り、虎が岩洞から現れて激しく戦うのであった。
- 輪蔵(りんぞう)
- 筑前の僧が都に上り、北野天神で輪蔵を拝んでいると、経文の守護神である火天(かてん)の化身が現れ、僧に一夜のうちに五千余巻の経文を拝ませることを約束し、消え去る。僧が待っているとあたりの様子が変わり、経文を日本に伝えたという傅大士(ふだいし)とその子ら普建(ふけん)・普成(ふじょう)が現れ、経箱を僧に授け舞を舞う。やがて天界から火天が天降り、僧と共に輪蔵を回し経文をことごとく転読させる。
- 輪蔵とは沢山の経巻が取り出しやすいように納められている回転式の書棚のこと。
参考文献:月間能スケジュール